一般人に知ってほしい、プロカメラマンの機材一式と知識を紹介する。

Knowledge

カメラマンの機材を紹介したい。「業」としてスチル撮影を望むにあたり必要となる機材についてまとめたい。

カメラマンの機材、とその設計思想というのは、意外とオープンになることが少ない情報かもしれない。

 

カメラマンと呼ばれる人と、趣味ユーザーにおける機材選定の大きな違いは

○機材準備においてはバックアップを必ず準備すること
○不安材料を可能な限り排除すること

この2点が大きな差異となる。


 

カメラマンといってもポートレート、物撮り、スポーツ、ブライダル、建築、イベント、取材など業務は多岐に渡るが、

基本的に最小限で以下装備があれば大抵をこなすことができる。

 

・フルサイズセンサーのボディ×2台

・レンズ 3本

 大三元or小三元(16-35/24-70/70-200,16-35,24-105,70200)

・フラッシュ×2
・パソコン、HDD

 

上記の機材は総額で〜100万円ほどで揃えることができる。うまく中古品や前モデルをチョイスすれば50万円ほどでも一通りそろえることができるだろう。この100万円という金額はイチ個人にとって間違いなく大きい数字である。しかし、これを「業」と成すための商売道具≒生産設備≒資産として考え、1〜2年以内で回収の戦略が立てられるならば、これは”かなりわりのいい”投資だとも捉えることができる。

虎の子の資金を投じ、業務に耐えうる機材を用意し、技術練磨に努め経験と信用を実直に積むことで、なんの取り柄もない一般人が「スキル」としての提供可能な撮影技能を身に着け、自己表現の伴うクリエイティブの領域へ挑戦できる。

では具体的に機材について見ていこう。

フルサイズボディはやっぱり2台必要

ここが「ハードルが高い」と感じると思うが、ボディは2つないとお話にならない領域だ。新品でおおよそ40万円くらい〜。

 

・メディアスロットが2つ存在するボディであること。(超重要)
 スロットの使いかたについて→α7iii/α7RiiiのSDカード2枚、ダブルスロットの超実用的な使い方について
・機材トラブル時のバックアップ。
・異なるレンズを2つつけて画角を扱いこなすため。

 

センサーサイズはフルサイズで2台揃えよう。APS-Cなどの大型センサーでもよいかもしれないが暗所での撮影や表現力の面でやはりフルサイズが求められる。また、同じレンズマウントで使うので、センサーサイズはどちらも同じにしておきたい。

これからのフォトグラファーはもはやミラーレス一択だが、レフ機を扱えて初期費用を安く抑えたいならCanonの5D mark2/mark3の中古が有力な選択肢になる。

 

 

レンズは大三元、小三元を基本に。個性が出る。

基本は広角、標準、望遠域のズームレンズ3本だ。この画角にまたがるレンズ群は総称し大三元(F2.8通し)、小三元(F4通し)と呼ばれている。レンズ選びには強烈な個性が出る。レンズ一本一本の価格が高いため限られた資金というリソースを投資し最大限の効果を求める。この過程において各人の個性が育つ。つまり答えはあるようで無い。少なくともレンズは3本必要となる。ボディは2つしかないが一本はバックアップ用だ。なおレンズも可能なかぎり純正が良い。レンズの制御はセンサー&エンジン&アクチュエーターが最適化されることではじめて最大限の性能を発揮するため。

 

<私のレンズラインナップ>
SEL24105G (24mm-105mm F4) 
 …何を撮るにせよ最低限このくらいの画角カバーは必要。あと寄れるレンズがやはり必要になる。
SEL35F28Z  (35mmF2.8)
SEL55F18Z   (55mmF1.8)

SEL85F18  (85mmF1.8)

 

上記を新品で揃えると35万円くらい。最低限でスタートするなら24-105mmのF4と自分の好きな画角の単焦点レンズでもよいだろう。撮り直しがきかないような現場に出入りするならバックアップ用に広い画角をカバーできるレンズがどうしてももう一本ほしい。最悪キットズームレンズでもOKと思う。(むしろキットレンズはこのくらいしか使いみちが思いつかない…。)

 

うまくなりたい場合、クオリティを追求したい場合は35mm/50mm/85mmの単焦点レンズを揃えたら良いと思う。

 

私なりのレンズの選び方についてはこちらを見てほしい。
>>【実例】SONY Eマウント神レンズおすすめの揃え方 僕の考えた最強のレンズロードマップ

 

カメラ関連のPCはMacbookPro


画像編集用のPCが必要だ。私はりんごマークのPCをオススメしたい。遅かれ早かれデュアルディスプレイでの編集環境に移行するので、モバイルPCは持ち運びに優れた13インチが使い易い。この時代に、持ち運びと移動に支障が生じる大きいPC、言うまでもなくデスクトップPCを買おうなどは思わないこと。Retinaディスプレイの出来が非常に出来がよくこと、写真を渡す相手もほぼほぼMacのPCを使っているためフォトグラファーにはMacがオススメだ。

>>なぜクリエーター/フォトグラファーのノートPCはMacbookなのか?について改めて問う。
>>【実体験】フォトグラファーのMacBookのスペックや選び方について購入時調べたことをまとめた

 

 

 

外付けHDD 

外付けHDDは同じ容量のものを2つ購入して常にバックアップが存在する状況にしておくことが望ましい。私は経験が無いがデータがなくなってしまう≒フォトグラファーとしての実績の多くを失うことに等しい。経済的な理由でHDDを2台購入するのが難しい場合や、被災時などに備えて更にバックアップをとる場合は、RAWデータも容量無制限で保存できるAmazon Photoを積極活用しよう。なおHDDでのデータ管理にあたってはライトルームの使い方をしっかりと学ぶこと。後がたいへん。

私が使っているHDDはこちら。4TBでこのお値段。

 

ストロボ 使い方にはやく慣れよう


ストロボも基本は2台。なんにせよバックアップが必要。

私がオススメしているのは1代目にだいたい3,000円ほどで入手できるNEEWERのTT560 (Amazon 新品3,199円 2019/02/07)で購入し使い方を学ぶこと(バックアップになる) その次にTTL対応のメーカー純正品もしくはGodoxのTT350を入手する。

>>SONY α7 ストロボフラッシュに格安¥3,000円「NEEWER TT560」が超オススメ
>>Godox『TT350S』ソニーTTL調光対応のコンパクトストロボ(スピードライト)のレビュー
>>【HVL-F43Mレビュー】ソニー純正最強ストロボ・フラッシュの良さ。

ストロボ用の電池はカメラマン向けに企画された>>ENELOOPが良い。

 

5Dなどであれば純正で装備されているが、
α7iiiはシンクロターミナルがないので、シューアダプターが必須。こちらも予備をいれて2つ。

またスタジオで撮影する場合も備え付けのケーブルはよく壊れていることが多いのでシンクロケーブルも予備用に持っている。

 

>>ソニーα7 シンクロ接点を使う時に必要「ホットシューアダプター」はエツミ製E-6783が良い。

予備メディア・バッテリー はたくさん必要。

・SDカードはSandisk ExtremePro

SDカードの予備は2枚以上 私はExtremeProを愛用している。SONY機で不具合がみられた事象(解決済み)があったときから私は予備のうちのいくつかは別ブランドで用意するようにしている。

>>ソニーα7にオススメのSDカードは『SanDisk サンディスク Extreme Pro』

 

 

・予備カメラ純正バッテリー

バッテリーの予備も必ず必要となる。バッテリー関連は純正を使うこと。機材準備においてはバックアップを必ず準備する、不安材料を可能な限り排除することが非常に重要な考え方である。昨今のカメラはほぼPCといってっも過言ではない構成となっているのでバッテリーの安定性が重要で純正以外の選択肢は無い。

 

・モバイルバッテリー

最近のカメラはモバイルバッテリーから給電が可能なタイプが多い。予備用に常備している。

 

・乾電池チャージャー

こちらはストロボ用の乾電池からもチャージができるように準備している。100円ショップでも手に入る。すべての電源がなくなっても乾電池自体はコンビニはもちろん世界各国の僻地にいっても最悪どこでも入手が可能だ。

 

カメラバッグはエンデュランス

現在、私の手持ちの機材はすべてこのバッグに入る。
レンズラインナップが増えてくる場合、女性フォトグラファーは物理的にリュックで機材を背負うことが困難になるためフル機材をいれてコロコロするトロリータイプに移行する。
私はエンデュランスのカメラバッグを愛用している。最高。

 

その他の小道具たち

私が準備している道具をいくつか紹介したい。

 

・予備用コンタクトレンズ

・ストラップは純正
ピークデザインのアンカーリンクスを使っている人は多いと思うが、プロフォトグラファーで使っている人は見たことがない。
縦構図と横構図を柔軟に選択できるようになってくるとアンカー部分がものすごく撮影の邪魔になるのだ。

・ブロワー

これはいうまでもなく必要。最初にそれなりのものを購入することをおすすめする。大きさがそのまま風量となる。安価な中華製のもの、OA機器用のものは選んでは✗。カメラ向けにカメラ用品メーカーが企画したもの(Amazon検索)でないとゴム素材のすべりをよくするための粉がまぶしているものがあり、これがセンサー部分に入り込むので購入時に注意すること。

・レンズペン

・目薬

・緊急用薬
お世話になったことはないが、腹痛どめ、解熱鎮痛剤、風邪薬を常備している。

・アミノバイタル 

撮影はやってみるとわかるが超絶ハードワークだ。現場の合間などでこれを飲む。

 

 

以上、参考になれば嬉しい。

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