前回のHelios44-2に続いてオールドレンズレビュー
今回は僕の手元にある中でもっとも好きなオールドレンズ Jupiter9についてレビューを…!
オールドレンズに関心を持った最初の段階で、タマ数、価格、流通の関係から入手しやすいレンズが
Herios(58mm) Jupiter8(50mm) Jupiter9(85mm)あたりでなかろうか?
その中から、とりあえず扱いやすい50mm前後のレンズで、前者の2つのどちらかを手に入れることが多いとおもうが、50mmは画角が人の目線と近いことがあり、どうも使いこなすのが難しい…。
このJupiter9は焦点距離が85mm(中望遠)である。
85mmという画角はポートレートに最適とも言われているが、
使って分かる背景がぎゅっと凝縮され始め中望遠の画角独特の『世界観』が存在している。
もしこの85mm/中望遠の世界観をソニーの純正レンズ(SEL85F18)で覗こうとすると、一気に希望小売価格74,000円+税という価格帯になってしまうのだが、ここで1.5〜2万円程度で安価に入手可能なJupiter9が中望遠の世界をお手軽に味わうための選択肢として使える。
>>参考記事 【SEL85F18】ソニーが価格設定ミスった?バランスの良い優良ポートレートレンズのレビュー
Jupiter9の特徴、写り
ひとことでまとめると、Jupiter9は
オールドレンズの重厚で豊満な『写り』と85mmの『画角』の楽しさを『安価』に味わうことができるレンズだ。
・カール・ツァイスのSonnarをもとに設計されたロシアンレンズ
・ジュピターはユピテルとも発音する(かわいい)
・おおよそ1.5万円〜2万円前後で入手が可能
・もちろんリセールバリューも同程度の金額(実質無料!笑)
・開放で撮ると、中望遠の焦点距離ゆえボケ量が多いのはもちろんだ、このJupiter9のボケ感はすばらしい。
・ボケの境界線がまるで、地平線に融和する太陽をみているかのようなとろけるようにクリーミー。
・まるでガラス瓶を覗き込んでいるような世界にいざなってくれる。
・ぼくは他にもソニー純正のレンズも所有しているが、ボケの質感に関しては非常に好み。
・手にもっていただくとわかるのだが非常にズシッとした重さ。
・レンズがぎっしりとボティの中にぎゅうぎゅうに詰め込まれている感触を味わうことができる。
・絞り、フォーカスリングの操作感もヌルヌル重め、ロシアというよりもドイツ的な重厚感を感じる。
僕の手元に数本のオールドレンズを所有しているがもっとも好きなのがこのJupiter9だ。
では早速外観からみていきたい。
レンズの外観
レンズ自体はマウントアダプターなしだと非常にコンパクト
このレンズは1971年製 歴史を感じざるを得ない。
絞りのバルサム
Jupiter9の作例
いくつかこのレンズでの作例を載せてみたい。
特にこういったボケの境界線がクリーミーに溶け込んでいく美しさはこのレンズの強烈な個性だと思う。
オールドレンズではあるが、ピント面(髪)のキレ・解像感には驚くばかりだ。
Jupiter 9の購入に関して
購入方法
オールドレンズはレンズによって最適な入手方法がまちまちなので、Jupiter9向けにまとめた
①最も安価に入手できる(が手間がかかる)購入方法は、Ebayで海外から輸入
②価格と手間のバランスが良いのはAmazon
ヘリオスやJupiter8に比べるとレアなようで楽天では取扱いがない
③メルカリなどのフリマで出品している方がいるのでそちらからの入手も楽だ。
ただしアマゾンの価格より5,000〜10,000円ほど値上げ幅があるようだ
マウントとアダプターの知識
オールドレンズの初心者が最も困るのがマウントとアダプターの知識だ。
私はこのJupiter9で、誤ってM39マウントを購入してしまいマウントアダプターがなく、M39→M42のステップアップリングを購入して対応したが、けっきょく無限遠がでずに困った。
最終的に無限遠は下のような17mm-31mmのヘリコイド機能搭載のアダプターを購入して無限遠の調整をせざるを得なくなった。
なので、これからオールドレンズ(Jupiter9の場合も)を購入する方は、M42マウントという最も出くわすことが多く使い勝手のよいマウントのレンズを購入すること!(重要)
レンズのM42から自分の使っているカメラへも、マウントアダプター(ソニーだとNEX)が必要になる。マウントアダプターは安価な中華製が出回っている。精度について文句を述べる方もいるが、まずは数百円〜千円程度の中華製の一番安いものを購入してまず使ってみることをおすすめしたい。
では、よいオールドレンズライフを!
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