七工匠 7artisans 50mm F1.1はもはや万華鏡。ライカMレンズ α7 レビュー作例

こんにちは。F1.0の世界を覗いたことがあるでしょうか?

今日は七工匠 7artisans 50mm F1.1というレンズについてレビューをしてみたいと思います。

ライカ ノクチルクスF1.0の衝撃

私が、F1.0の世界に感興を覚える事の発端は、とあるカメラ好きの飲み会で、ライカの「Noctilux」というレンズを試写させてもらったことに遡る。Noctは夜をLuxは明るさを意味するライカのレンズラインナップでも独特のオーラを持つレンズだ。

私はそのF1.0が見せる世界に、まさに瞳孔がカッと開くかのような衝撃を覚えた。以下すべてのノクチルクスにて撮影。

 

そこから僕は俗に言う”超大口径レンズの魔力”にうなされる日々が続く。
ソニーのα7という現代的カメラを使用する私は、実質最高峰の大口径50mmレンズである50mmF1.4のプラナー(SEL50F14Z)も所有していたが、あの日覗いたファインダー越しの世界をどうしても忘れることができなかった。

 

これはF1.0のファインダーを覗いた人間にしか分からないことかもしれないが、F1.4とF1.0の間には数字以上の大きな隔たりがある。次元そのものが違うと感じるのだ。

フルサイズ 50mmF1.1 超大口径レンズの選択肢

 

さて、F1.0前後の大口径レンズについて調べていくに従い、現在はノクチルクス以外にもいくつかの選択肢が存在することを知った。

ライカ ノクチルクス 50

フォクトレンダー  ノクトン 50mmF1.1

七工匠 7artisans 単焦点レンズ 50mm F1.1

キャノン EF50mmF1.0L USM

さらにオールドレンズとして0.95のレンズも存在する。

 

この中で価格観点から唯一手が届く範囲に存在するのが「七工匠 7artisans 単焦点レンズ 50mm F1.1」だ。フォクトレンダーのノクトンもまだ手が届きそうな価格設定となっているが2倍程度の価格差がある。僕はなんとか自分の予算の中でやりくりできそうな七工匠F1.1の夢を手に入れたいと思った。

外見レビュー 

まず入手して驚いたことがレンズ本体の質感の高さだ。
まずレンズと金属がぎっしりと詰まった重量感にドキッとする。そのままボディをなめるように撫で回してもヒヤッとした金属の質感が心地良い。レンズ前面から見たときの印字のクオリティはすこし残念だが、側面から眺めたときの被写界深度目盛りとF1.1の印字に心が踊る。

 

箱と中身

ボディに装着

マクロフォーカス対応のヘリコイドアダプターの併用がオススメ

このレンズをつかうならばライカM→SONY NEX及びその他のマウントへのマウントアダプターが必須。またヘリコイド機能付きでマクロ撮影が可能なアダプターがあると良い。7artisans 50mm F1.1のレンズ自体の最短撮影距離は0.7mだがヘリコイドでレンズを繰り出すことでさらに被写体に寄れ、異次元の大きなボケつまりボケの向こう側を味わうことができる。

 

レンズの日本販売元と同じ代理店からも製品が発売されている。私は画像の中華製品を使用しているが自分に合ったものを探してほしい。

 

7artisans 50mm F1.1の作例

  

 

レビュー

写真としての表現力を身につけようとすると、どれだけ肉眼で見た、視線の延長線から乖離させるか、驚きを与えるかについて考えるようになる。

 

例えばそれは技術・技法としては
  −広角レンズや望遠レンズをつかう
  −黒白写真にする
  −ボケをつかう
  −目線の位置を変える など。

 

そのなかでも僕はボケによる表現が好きなのだ。絞り込んだ記録性の高い写真よりも、写真を見るものに解釈や想像力を与える曖昧さが存在した写真。

 

レンズの焦点距離と開放F値はその独特の世界観を形作っていると思う。例えば135mmF1.8などがわかりやすい。
実は、僕は50mmF1.1というレンズの焦点距離と開放F値がクロスするその世界観から、購入する前からこんなふうに使いたいというこのレンズで出したい絵のアウトプットのイメージをおおよそ心の中に描いていた。
被写体との距離1mで他縦位置の50mmF1.1。カメラを構えるという行為に暴力性と緊張感が帯びるその距離感覚で被写体を撮りたいとおもった。書いていて思ったのだけれども、これは写真表現と言うよりも肖像画を描く行為に近い。

 

脱線してしまったが、
描写をレビューするなら、開放F1.1にシャープネスなど存在しない。ひたすら甘い。ピントなんて合わない。コントラストは低めでスモーキー。色ノリもそんなに良くはない。出てくる絵にはヌケの良い現代の水彩画のようなさわやかさよりも、油絵のような重厚感を感じることができる。

このレンズを使っていると、もはやレンズであってレンズでないような感覚、ファインダーの先に、まるで万華鏡を覗いたようなまばゆい世界が本当に広がっている。これがこのレンズの強烈な個性になっている。

まとめ 銘レンズの予感を感じる

認知度や知名度がまだ無いのだが、もしかしたらコレは銘レンズになるのではないかと思う。

扱いこなすことができるならば強烈な武器になる。

 

誰もが同じボディと同じレンズを持ち、同じような写真を量産する今日、
シャープネスも解像力もクソくらえ。このレンズはどこか天の邪鬼でじゃじゃ馬で反骨的だ。

 

そう、このレンズには情緒価値のみしか存在していない。絞ったらそこそこ現代的なレンズとしてもつかうことができるというレビューを見た。僕はそんなものは一切求めていない。だったら僕はそもそも現代のレンズをつかう。

 

このレンズは馬鹿げている。まるで現実の世界をジューサーでかき混ぜて濃厚なバターと一緒にグツグツ9時間ほどじっくりコトコト煮込んだんじゃないかというほどの空間圧縮率を手に入れることができる。

 

多分このレンズは伝説になると思う。