こんにちは。
とうとう憧れのSONY最高峰レンズPlanar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)を入手したのでレビューしたいと思います。
現時点では純正で最高級の50mmレンズです、そしてあのツァイスのプラナーです。
これだけで特上の所有感と、俺はいいレンズを使っているんだという根拠のない自信(結構重要です)をもたらせてくれます、その分お値段は高いのですが。
今回はレンズレビューということで、トピックを抜き出して見ました。
・非常に重いがバランスは良い。
・コストパフォーマンスは悪い。
・最高のレンズを使っているという満足感を味わうことができる。
・想像を超えた画質と描写力で撮り手の感性が深まる。
・SEL55F18Zから乗り換える必要は少ない →別記事へ
・SIGMA Art50mmとは重さが争点 →別記事へ
では、詳細へ。
【外観】 日常使いができる上限ギリギリのサイズ、重さ。カメラとのバランスは良い。
このレンズは、ソニーツァイスレンズで慣れ親しんだアルマイト処理の金属ボディに、レンズがぎっちりと詰めこまれている「良いレンズ」という実感を伴った重みを感じることができます。ただ重いだけでなく、ここまでギュッと詰め込まれている感触があるレンズはライカのノクチルックスを触ったとき以来です。
ボディこそ大きいのですが、もし設計者に語らせるならば「よくこの複雑な光学系をこれだけコンパクトに詰め込んだことを評価してほしい。」とこの質量感が語っているように思うのです。
レンズ構成は 9群12枚、フィルター口径は72mmの大口径レンズ。最初の6枚は典型的なプラナーのダブルガウス型でそれのみで結像し、後ろの6枚が各収差を補正するために追加されている補正系レンズとなっています。そのため他社のF1.4のレンズに比べて非常に大きく、重たく、そして価格が高い。(たとえばキャノンEF50mm F1.4 USMだと重さが290g。)
778gの重さの観点ではマイナスなのですが、このレンズはボディに装着したときの重量バランス感が存外に良く、好感をもてるポイントです。
レンズフードを装着するとこのような外観になります。ちょっとしたズームレンズ程度の大きさとなります。
絞り環が設定されています。これがあることで右手でS/Sを操作し、左手でF値を変更することができるため、直感的、瞬間的に自分の意図したF値を設定をしたい私のような人間には非常に嬉しい設定です。またスタジオなどで三脚に装着し絞り値をテキパキと変更して撮影する場合にも非常に有効。フォーカスリングの動きも絶妙なトルク感がすばらしいですね。
クリックのON・OFF切り替えボタンが設定されています。私はマニュアル撮影時にはクリック数(0.3EV毎)で露出を暗算しているのでこのクリック機構はとても役にたっているし、なんといってもカリカリカリッというレンズを操作しているダイレクトな操作感が実に心地よいのです。
お約束のAF/MFの切り替えスイッチも設定
最短撮影距離は45cm、レンズフードをつけた状態だと全長が長いので想像以上に寄れます。
手持ちのレンズと大きさ比較をしてみました。
F4通しのズームレンズSEL24105G(663g)よりも一回り大きくて重いです。
他のカールツァイスレンズと比較しても圧倒的に大きく異質。このレンズはSEL35F14Z、SEL85F14GMの後に発売されたレンズで、50mm付近にはすでにツァイスのレンズが存在しているため、GMレンズとして開発されていてもおかしく無いレンズだったのではないのかと感じます。
SEL50F14Zのスペック
スペックは書かなくても>>公式HPをみていただければ良いかな。
といつも思うのですが、この記事を読んで頂いているひとが別のページを見る手間をかけさせるのも嫌なので一覧記載します。
●最短撮影距離 45cm
SEL50F14Zの作例
では、実際に私が撮影した拙い作例をお見せしながら、このレンズの描写について思うことを書いて行きたいと思います。
発色が良い。
まずこのレンズを使って思うのは「発色が美しい」ということ。
SEL55F18Zや他のレンズでは、シャドーに沈みかかってしまうような深い色を1段引き上げて鮮やかに描きだします。
SEL50F18Fのようなレンズ構成がシンプルなレンズも発色が非常に良いのですが、より上品さと気品を感じさせる色乗りに感じます。同じ場所でもこのレンズでとれば凛と色鮮やかに映し出してくれる、そしてそれぞれの色の調和がとても美しいのです。
質感描写に優れた高いコントラストとヌケの良いシャープネス
グラスに入った水の冷たさ、コップの飲み口から水面に淀む一段冷えた空気の感覚や、冷やされ空気中の水分が凝縮ししずくとなって薄いグラスの表面にうっすらと滴る様子。こういった微妙な感性を仔細に描き分けることのできるレンズは多くありません。
まるで目の前の光のすべてを透過させたかのようなこのヌケ感、、、、。
このレンズにはディープシャドーからハイエストライトまで完全に描ききるコントラストの高さがあります。
ハイライトが生き生きとしており料理なんかをとらせれば本当にサマになるレンズです。
この一級の表現力を扱うことで、撮影者自体の感性が磨かれます。このレンズは今まで見えなかった、気づくことができなかった世界の美しさや緻密さを描き出し、ファインダーの先に提示してくれます。
平成の自由な時代に生まれ、令和の個人の時代を生きていく自分は、やはり自らの表現力と感性を磨くモノやコトにこそ身銭を投じたいと願います。それは一冊の本かもしれないし、ときには1週間の旅、もしかしたら一本のレンズかもしれない。そう考えるならばこのレンズは決して悪い投資とは言えないでしょう。
ボケが美しい
F1.4のピント面のシャープさとなだらかなボケへの調和に心が奪われます。
このレンズの美しいボケの海に捉えられた被写体はまるで画面浮き上がるかのような立体感を得ます。
ボケを利用した立体感の演出はレンズとピント面の距離が大きくなるほど薄まっていきのっぺりとしだすですが、F1.4であれば肉眼で立体感が生むことができます。
ボケの中に硬さやエッジを感じさせないとろけるようなボケ表現。画像の周辺部になるとボケの印象が変化することがありますが、
プラナーなだけ合って「画像の均一性」が素晴らしく、どこをみても見ても一枚の絵として完璧に近い。
ポートレートに最適な柔らかさ。
作例準備中
このレンズで僕がとても気に入っているところは人間の肌の描写がすこぶる柔らかいという所です。
特に自然光下での絞り開放、ハイキーな露出に設定するならば、まるで美しく描写をしてくれます。
拡大表示すれば驚くべきほどの現代的な解像力を見せつけながら、そのハイライトにはまるでHaloかGlareを纏ったような柔らかな印象を与えてくれます。これはいままで使ってきたレンズにはない感覚でした。それはまるでオールドレンズのにじみに近くも感じるのですが、決してにじみではなく、なんとも現代的な柔らかさを持っているレンズなのです。
おそらく皆様が気になっているレンズとの比較は別記事として記載しましたので触りだけまとめます。
SEL55F18Z Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA との比較点は価格
ほとんどの方がソニーEマウントの中でも屈指の神レンズと名高いSEL55F18Zで満足できると考えます。(満足しておいてほしい。笑)
比較画像
記事の内容をざっとまとめておくと
・SEL50F14Zの方がよりシャープで、色乗りが良い。
・顕著な違いは周辺の描写 SEL55F18Zは周辺部が流れる
・5mmの画角は結構違う。
・SEL55F18Zより5cm最短撮影距離が短く思ったよりも寄れる。
・F1.4とF1.8の違い
→別記事リンク
SIGMA 50mm F1.4 DG HSM|Artとの比較点はサイズ感
このPlanar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)を購入しようとする場合に必ず比較対象にあがるのが、SIGMA 50mm F1.4 DG HSM|Artだと思います。
・SIGMAのほうが解像感、シャープ感は高い
・SONYのほうがボケは好み
・SIGMAのほうが5cm最短撮影距離が短い
・SIGMAのほうが数センチ全長が前玉が長い。
・またソニーの778gに対し、SIGMA 910gと100g以上重い。
記事内容まとめておくと
SIGMA 50mm Artの描写には完全に納得していながらもなお、更に値段が数段高いPlanar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)を買うと決めた理由は、実際にお店にいきボディに取り付けたときの重さとサイズ感です。
→別記事リンク(公開準備中)
この記事では主に作例中心にまとめましたが、参考になれば幸いです!
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