こんにちは。
私はスバルのサンバーバンをオフロードバイクのトランスポーターとして利用しております。
サンバーは農道のポルシェと形容される名車です。
なんでも飲み込んでしまう圧倒的な積載能力と悪路をものともしない走破性能、そして助手席乗ることを許されるのは心のきれいな女性のみ。そして軽貨物登録を組み合わせることによる圧倒的な維持費とメンテナンスコストの低さ。バイクの運搬からおしゃれなキャンプ、釣りにデートに、引っ越しまでなんでもこなせてしまう究極のレジャービークルなのです。
今回はそんなSUBARUが誇る稀代の名車サンバーをより快適に使うために僕がDIY(destroy it yourself)の精神をもってとりくみ、効果が高かったオススメのカスタムについてこの記事にまとめていきたいと思います。(ずっと書きたかったんです。この記事)
サンバーの静音化と高気密化
サンバーは農道のポルシェといっても、内装は軽トラと同じでペラペラの漢仕様です。
多少アクセルを踏み込めば、会話ができない程度に社内に直列4気筒660ccのエンジンの咆哮が響き渡ります。
近場を軽く流すくらいなら心地よくもあるエンジン音も長距離運転時には疲れの原因ともなります。
そこで実施したのが、サンバーの静音化とデッドニング。
静音化の基礎知識
車の静音化は主に制振・遮音・吸音という3つの静音アプローチが行われます。
重要なことはすべての総合力で静音が行われるということで、どれかのみを実施しても効果は限定的です。
<制振>…車体を構成している鉄板部分の振動をおさえます。
レアルシルトかレジェトレックスという素材が有名です。
コストパフォーマンスが良いので私はレジェトレックスを採用しました。購入した量は50cm×1mのものを2つ購入した記憶があります。ざっくりフロントドアとフロントフロアで50cm 天井50cm 荷室50cm リアドア回り50cmという配分だったと記憶しておりますが、正直言って全然足りませんでした。(それでも効果は抜群でした。)どうせデッドニングをやるなら倍程度は貼り付けて良かった。と後悔しています。今デッドニングをするなら50cm×1mの素材を6つほどは使用したいな。と思います。
私はレジェトレックスは多めに購入しておくことを断然おすすめします。
制振材は貼れば貼るほどに鉄板の音が低くなっていき効果を実感できます。
<遮音>…ロードノイズやエンジンの音など、遮蔽する効果があります。
大建工業の遮音シートという建築材料(10m分)を流用します。建築資材のため非常に安価に入手が可能です。基本は1枚重ねの使用で面全体に貼り付ける、覆うようにします。
<吸音>…空気の振動を吸収します。防音ルームなどで
吸音用の素材にはエプシトーラやシンサレートなど製品が存在しておりますが、私は最も安価なニードルフェルトを採用しました。(10m分)主に使用する部分はフロントマット下、天板部分に貼り付けて使用、鉄筋部分に詰め込むこともあります。
では実際の施工について紹介して行きます。効果を★5つで採点しておりますので、取り組むご参考に。
フロント回りのデッドニング ★★★★★
フロント回りのデッドニングは主にフロントフロアとフロンドドアの施工に分かれますが、この2つを実施するだけで劇的な効果が見られます。作業時間はだいたい半日程度です。
フロントフロア
・マットと椅子を剥がしむき出しの鉄板に10cm程度に切り出したレジェトレックスをペタペタ貼っていきます。
何枚か貼ってみて底板を叩いてみて音が響くところに優先的に貼っていきます。フロントバンパーの裏側も忘れないように!
この段階でできるだけたくさんのレジェトレックスを使用した方が良いです。余裕があったら全面に貼っても良いと思います。
・マットの形状に合わせて遮音シートと吸音材ニードルフェルトを切り出し全面に敷き詰めます。
シート下はニードルフェルトが入らないので遮音シートのみを2重に敷きました。
フロントドアのデッドニング
ドアのデッドニングは、スピーカーの鳴りが劇的によくなり、ロードノイズも消えるので効果的です。
内張りをはずします。力ずくでも外すことができますが、下記のようなツールを持っていると手間や破損が少なく良いです。
ホールから手を突っ込んでレジェトレックスを外側の鉄板の内側にペタペタ貼っていきます。貼るとドアの音が変化します。
私は貼ったレジェトレックスのアルミの表面上もドア内部での吸音性を期待してニードルフェルトを>>スプレーのり99で貼り付けました。スプレーのり99は耐熱温度が83℃で天板以外はすべてこれを使用しました。天板に使ったスプレーのり111は耐熱温度が150℃。スプレーのり88は48℃なので少し不安があります。
ドア内部の加工が終了したら、空いているホールをすべてレジェトレックスで塞ぎます。
左ドアも同様に加工します。
ドアのレバーから伸びるバー部分はレジェトレックスに接触すると動きが悪くなるので、ビニールチューブのようなものをかぶせて施行しています。
スピーカーの音にこだわる場合はスピーカーホール回りは重点的に施工してください。
剥がした内装の内側に切り抜いた遮音シートをボンドと養生テープではり付けました。
後部座席、荷室、ドアのデッドニング ★★★★☆
フロント回りのデッドニングが終了するとRRのレイアウトでエンジンの存在する荷室の音が非常に気になりだします。
荷室に関してはデッドニングとともに床張りを行うことも効果的です。
こちらも面積が大きいためだいたい半日程度は時間がかかります。
フロントと同等にまずは床の鉄板をむき出しの状態にし、レジェトレックスを張ります。
私は購入していたレジェトレックスの量が足りてませんが、凸凹の溝の部分のあわせえてしっかりと貼り付けることが効果的です。
その上に静音シートとニードルフェルトを重ねます。
後部座席の運用によりますが、私はトランポとして床張りを行うためニードルフェルトの厚みでふかふかしてほしくないのでニードルフェルトは溝にそって切り出して両面テープではりつけ、その上に遮音シートをフラットに引く施工としました。
サイドドア、パネル、リアゲートのデッドニング
こちらもフロントドアと同様に施工します。
荷室後方部分のサイドパネルからアクセスできる車体の支柱部分には、ビニール袋にニードルフェルトを細切れにしてからつっこみ気密性をあげるようにしました。
静音シートのドアへの貼り付けは耐候性を重視し、
粗面接着性、防水シール性に優れ長期耐久性にも優れ、冬期でも柔軟性があり、複雑な部位にもよくなじむ強力防水両面テープを使用しました。
またフェルトを静音シートに接着する場合には>>スプレーのり99をフェルト側に噴出しそのままはりつけました。
リアゲートも同様に内装を外してデッドニングを行います。
天井のデッドニングと高気密化 ★★★★★
フロント回りのデッドニングに続いてかなり効果的だったのがこちら。
風切り音や、雨の日の音がかなり小さくなります。箱バンのような形状の車には本当に効果的です。
また、音と合わせて夏場のクーラーの効き(冬場の暖房も)が抜群に良くなります。
まず内装をすべて剥がします。
レジェトレックスを貼り付けます。
こちらも余裕があればもっと貼ってよかったと感じます。
画像がなくて申し訳ないのですが、私はこの天板に直にニードルフェルトを貼り付けました。
ニードルフェルトを天板の形に合わせて切り出し、ニードルフェルト側にスプレーのりを吹付けて天井に押し付けることで楽に張り合わせが可能です。
なお、天板の接着に関してのみスプレーのりシリーズ中で再高強度、最高耐熱温度 150℃をもつスプレーのり111を使用しました。
施工から数年立ち暑い夏と寒い冬を幾度となく乗り越えていますがいまだ剥がれておりません。天板のみは111をおすすめします。
遮音シートは天板の凸凹面に対する追従性が不安だったためあえて貼り付けずに天板と内装のパネルの間にハサミ込むかたちにしました。
エンジンルーム静音化 ★★★☆☆
エンジンルーム側への施工に関してはデッドニングとは別に耐熱性のある専用静音キットが存在します。
エンジンルームをカバーしている黒い鉄板のエンジン側にこちらの静音シートを貼り付けます。3000円程度ですが、エンジン音が1段と遠くなるのを実感できるほどの効果はありました。既製品で施工もかんたんなのでおすすめですね。
エーモン 静音計画 エンジンルーム静音シート 約720×1200mm 2670
フロントドア 風切り音防止テープ ★★☆☆☆
エーモン 静音計画 風切り音防止テープ ドア2枚分 約4.3m 2650
ドアを閉めるときの音がバンからボムッに変化します。
安価なためコストパフォーマンスと既製品のため導入がかんたんなので
静音は気になりだすとどこまでも追求ができますが、ここまでは施工しても良いと思います。
リアゲート風切り音防止テープ ★☆☆☆☆
同様にリアゲートにも施工しましたが、サンバーの構造上か設計上リアゲートは作りがあまいのかドアを締めた際にうまくウェザーリップ部と密着せずにずれが生じてしまいました。私が施工に失敗した可能性が大きいですが、そこまでおすすめできません。
タイヤの静音化
箱軽トラの標準タイヤ145R12-6PRから乗用車用のタイヤに変更することで大幅な静音化が期待できるようです。
私は車検が面倒なため変更しておりませんが、アイデアとしてご紹介しておきます。
サンバーの床張りによる積載性能の向上
コンパネから切り出して床張りを行いました。
3枚組で設計しました。
バイクを乗っけるので途中にスロープをつけました。
また、コンパネ表面にゴム板を張って滑り止めをつけています。
角部分はL字サッシをボルトどめして強度と見た目の向上を図っています。
ジャッキが収納可能。
サンバーの快適化 車内泊や便利アイテム。
デッドニングと床張りに引き続いて、サンバーで快適に過ごすため便利グッズについて
→こちらは別記事としてまとめました。
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