ポートレート写真上達のヒントに「自然光ポートレートの超絶レシピ」本がおすすめ。

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こんにちは。ポートレート上達の福音の書「自然光ポートレートの超絶レシピを紹介したいと思います。ムック本ですがかなりの良書です。※ポートレートだけにとどまらず写真における最も重要な「光」について学べます。

ただまず、断っておきたいのですが、この本はこれからポートレートを始めよう。「ど、どうやって撮ればいいんだ(アタフタ)」という方には向いておりません。少しレベルが高いです。

 

本書ど真ん中の対象は、何度かモデルと向き合いポートレート撮影を一通りこなすことができるようになった、が、「あれ、これただ単純にシャッター押してるだけかもしれな。どうやったら作品として昇華できるんだろう…わからん」と自分の写真に疑問を持ち出した人です。そんな人にとっては撮影の考え方、思考方法を間違いなく一段上げてくれる一冊です。

この本は「自然光」による強弱表現を一貫したテーマとし、普遍的な学びがある。

写真を一つの画角つまりフレームにおける表現だと考えたとき、そこにドラマを生むためには「起伏」が必要になります。

 例えば起承転結という言葉があるように、面白い話には言葉を媒体とした強弱が存在します。映画や動画ではストーリーや展開、撮影技法によって視聴者へ起伏と強弱を伝えます。起伏とはすなわちバランス(平坦)を欠くということであり、撮影における最もお手軽な技術は日の丸写真を抜け出し、三分割法や黄金分割法などにそって要素を配置した「構図」と呼ばれる起伏表現です。。

 ただ、一瞬を切り取る「写真」の強弱という言葉の本当の意味を考えると、その答えは「構図」だけではなく「光」そのものに行き着くはずです。つまり本質は写真(絵)の中にハイライト、シャドー部分を作るということ。構図を生むのは光しかありえなので構図の前にさらに一つ層の深い「光」への理解が必要なのです。

光の読み方とは。

 例えば、僕らを悩ませるよくありがちなシーンは、曇りの日や屋内で被写体を撮影したら体や顔全体がのっぺりした全く強弱のない眠い写真となってしまうようなこと。

 ハイライト、シャドー部を「意図的に作る」という思考と実現方法を知っているならば、屋内に移動し、窓から柔らかく差し込み室内に広がっていく光をモデルの頬骨や鼻筋の起伏に当てハイライトを作る。その透き通るようなハイライトから頬、耳元、首のディープシャドーへと柔らかく沈み込んでいく光と影の美しい階調をカメラで捉える。こんなことができたなら、その写真は光の強弱と人間の肌の質感の美しさを捉えた芸術的な作品へと昇華されるでしょう。

また、この本を読み光の強弱に対する知識を得ることで、人間の感情の強弱を捉えた写真には、構図や光の強弱を超えた力強さがあるということを知るのです。

 

”〜のレシピ”といった写真撮影に関する書籍は僕の経験上ハズレの確率が異常に高いです、しかし、この本は、現代を代表する10人のフォトグラファーそれぞれの光に対する感性を学び、フォトグラファーの最も重要な力である「光を読む」ためのIDEASを授けてくれるたいへんに素晴らしい一冊です。ぜひ読んでファインダーを覗いてみてください。

 

 

 

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