こんにちは。
今回はニーブレースの重要性、選び方、オススメについてまとめていきたい。
基本的にモトクロスをしないエンジョイエンデューロライダーの目線で書いていることを認識頂きたい。
また医療関係者でもないので、表現や言葉尻には気をつけたつもりだ。もし誤りなどがあればコメントいただけると幸甚である。
・ニーブレースとは
ニーブレースはKnee Braceと記載する
「Brace」は名詞として突っ張り,支柱 副木,添え木としての意味を持つ。
実は一般的には医療用の器具のことを指し示すようで、膝パッドがついていないく膝周りに装備を付けた人を見たりしたことがあるのではなかろうか。
オフロードバイクは、転倒などのアクシデントににより脚が引っかかったりバイクの下敷きになり、膝が通常可動しない方向へ、非常に大きな負荷が掛かってしまうことがある。
※想像したくないが、膝を逆パカしているようなイメージだ。
オフロード用のニーブレースは、関節として膝の機能の安全性を保つための金属製や強度を持つ合成樹脂製の”支柱”を用いてこの動きを制限し安全性を高めるための装具なのである。あくまでも治療用ではなく、事故や損傷が起こらないように予防的に用いる(重要)ための防具=プロテクターとして考えてほしい。
他の膝周辺のプロテクターと比較してみよう
「ニーガード」…硬いプラスチックにパッドがついたもの
これは転倒時に膝を打ち付ける衝撃から守るだけのものであって、この膝の「関節」を保護する機能は一切ないことが多い。大体〜5000円前後が目安だろう。
「ヒンジ機構つきニーガード」…ニーガードに簡易的なヒンジ機構を設けて、膝の安全性に対しても配慮をしたもの
※以下にリンクしている私のオススメするリアットデュアルアクシスのようなもの
ニーブレースはかなり強度のある素材の支柱構造を用いるのに対してヒンジ機構付きのニーガードはプラスチックの可動部分にストッパーとしての機能をもたせたものが多い。大体1万円前後が目安だろう。
・ニーブレースの重要性
膝だけにとどまらず、関節というものは骨がプラモデルみたいにカコッとハマって動いているのではなく、靭帯という束で3次元的に保持されて機能している。
靭帯(じんたい、羅: ligamentum; 英: ligament)は、強靭な結合組織の短い束で、骨と骨を繋ぎ関節を形作る。 主成分は長いコラーゲンの線維である。 靭帯には関節の可動域を制限する働きもある。 なお、骨と骨格筋を繋ぐのは靱帯ではなく腱である関節包靭帯は関節包の一部となって関節を包み、機械的な強度を増すのに役立っている。関節包外靭帯は骨と骨の剥離を防ぎ、関節を安定させる役割を持っている。(Wikipediaより)
多少ショッキングな画像も含まれるが、下記リンクの靭帯の画像を見て頂くのが理解に早いだろう。
膝前十字靭帯損傷 (順天堂大学医学部附属 順天堂医院 整形外科・スポーツ診療科)
Link>>https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/seikei/about/disease/sports/sports_05.html
オフロードバイクはサッカー、野球、バレー、マラソンなどなど他のスポーツと比較してこの靭帯の損傷の可能性が、極めて高い部類に入ると思われる。
私の所属する会社は社会人競技が盛んで、多様スポーツの競技選手から話を聞くが、膝靭帯を損傷することが多いと聴くのはラグビーくらいだ。
スピードが出る、障害物が存在する。バイクの車重が重いという要素がリスクを上げていると思われる。
(とくにモトクロスに至ってはジャンプという一番リスクの高い行為が存在する。)
実際に私の10年にも満たないオフロードバイクライフの中でも膝靭帯をヤラカシてしまったという話は片手じゃ収まらないほど聞いて来た。
想像もしたくないし、経験もしたくないものだが、膝が未知の方向にガクッっとなって、目の前が真っ暗になり冷や汗が出て絶望するらしい。
で、骨折と違って靭帯の損傷が厄介なのは後遺症として残り易いということだ。
例えば歩き方がおかしくなったり、トイレでしゃがみこむことが出来なくなったり…
想像してほしいのだが、普段どおりの生活していて膝を使わないシーンがあるだろうか。
靭帯の損傷が恐ろしいのは怪我をしたそれ以降の「日常生活」に「ず〜〜〜〜〜〜っと」悪影響があることだ。
じいちゃんになっても、ばあちゃんになってもこの後遺症を背負って生きていかなければ成らなくなる。
もし、あなたが25歳だとしよう。おそらく、僕らの世代は医療の発展で100歳まで生きるし、80歳くらいまでは現役として働くであろう世代に生きている。
僕らが生きるであろう余命は100年−25年=75年
もし今、保険として100,000円のニーブレースを買うとする。
100,000(円)÷75(年)=1,333(円/年)
つまり、1年間1333円の保険をかけることと同じなのだ。この保険の値段を高いと捉えるか、安いと捉えるかは人次第だ。
もし、膝靭帯をやってしまったらたとえ100万円かけても二度と元のようには戻らないという。
僕は身体オフロードバイクでつくってしまった消えない擦過傷が多い、それを見ただけでも、たまに悲しい気持ちになる。
オフロードバイクのりが身体に残していいのは擦過傷までだと思う。少なくとも僕はそうしたい。
オフロードバイク乗りに、何よりも大切な装備は、過剰なまでの安全意識なのだ。
実はニーブレースを買う人は2タイプに分かれるという事をあえてここでお伝えしておきたい。
・膝靭帯を損傷し、ニーブレースが無ければバイクを操作することができなくなってしまい購入する人
・膝靭帯を損傷する可能性を軽減するため、「安全性」にお金を払い健康な状態でニーブレースを購入する人
オフロードバイクスポーツを愛する私としては、私自身にも、そしてこの記事のを読んで頂いている皆さんにも、このスポーツと永く、健康的に、そして楽しく付き合っていくために後者でいることを願う。
・どのタイミングでニーブレースの購入に踏み切るべきか
といってもニーブレースは目玉が飛び出るほどのお値段がする。5〜10万円。
オフロードバイクに興味を持ち、ヘルメット3万円、ブーツ2万円、グローブさんぜんえ〜ん、とヒィヒィいって装備を揃えれいるなかで、
ニーブレースの値段は文字通り目玉が飛び出るだろう。
えぇ――――っ!! ニーブレース ってこんなに高いのかい!!
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(ニフフ
あ、飛び出ませんでしたねw
という訳でここで初心者がオフローダーとしてキャリアアップして行く中のどのタイミングでニーブレースを購入すればいいか持論を述べたい。
オフロードバイクライダーの大多数のキャリアの一般的モデルプランは以下のよう
WRやセローといったトレールでオフロードバイクにはまる→ひたすら色々な遊びをする→レーサーに興味を持つ→トランポ&レーサーを購入する
まず公道を走るのがまだまだメインな場合、公道上での操作性に悪影響を及ぼすのでニーブレースを入手しなくてもよいように思う。
心配になるだろうから、ヒンジ付きニーガードがあるのでそちらを使ったらいかがだろうか。
私自身が公道を走る時に使っていたこちら↓がかなりオススメだ。
で、ある程度練習して上手くなるとレーサーに興味が出て来るようになってこのあたりがニーブレース購入のポイントではなかろうか。
上述したが、膝損傷のリスクに直結するスピードが出せるようになっているという点と、トランポで公道での操作性、快適性を考慮しなくなくてよくなるためだ。
具体的に言おう。
・レーサーを購入したタイミング
・トランポを購入したタイミング
・レース活動を本格化したとき
このいずれかが一つでも当てはまったら購入タイミングだ。
私自身を振り返ってもレーサーを入手し、トランポを購入した数ヶ月後にニーブレースを購入した。
※出費がかさむので金銭的にめっちゃ厳しいと思うが、これを上手くマネジメントする多分僕しかしらないマル秘方法があるのでまたお伝えしたい。
ニーブレースを使うようになって面白いのが、紐やマジックテープで身体を締め付けるという手間が発生する。
武道、スポーツなんかをやっていた人間はよくわかるだろうが、紐や締めるという行為はその世界に没入して集中力を高めるきっかけとなる行為である。
きっと陸上やサッカーの選手も同じだと思うが、オフロードバイク乗りにとってレースの前に毎回、ニーブレースのマジックテープで自分の脚を締め、オフロードブーツをカチカチカチと締め上げる行為は、個人的にとても荘厳で大切にしたい時間だと思っている。
では、具体的に何を購入すべきかオススメのモデルについて
オススメモデル
<全体概要>
私がニーブレースを購入した当時はPODのK300が「独占」といってもいいくらいの圧倒的な人気を誇っていた。
その他人気だったのはCytoのCell
なんといってもニーブレースは目玉が飛び出る位高い!!!!!!!!!!
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(ニフフ
当時〜7万円位で入手できる良さげなモデルは、結局POD K300とCytoCellに絞られてしまったと記憶している。
実際にそのせいか、すくなくとも私のまわりの7〜8割位はPOD K300を使っていたように思う。
が、リアットCフレームというニーブレースが発売になったあたりから、一気に第三の選択肢としてリアットが浮上するようになり実際に何人かがリアットに移ったのを覚えている。その後もX-フレームが続いて発売になり、〜7万円前後のエントリーモデルでの選択肢が増えた印象だ。(リアットは勢いがある)
当時はこの位しかまともな選択肢がなかった。
今日は10万円近いハイエンドモデルはあえてはずして〜7万円前後、頑張れば5万円程度で購入が可能なエントリーモデルについてまとめて見たい。
では、実際に見ていこう。
POD K4
ニーブレース業界でトップブランドに感じる。多分ニーブレースという装備が普及したのもこのPODのおかげなのではないかと思う。
僕がPODのニーブレースが好きな点は、実用道具としての安心感を感じるためだ。
自分よりもだいぶキャリアのあるオフローダーがボロボロに使い込まれたPODのニーブレースを外しているシーンを見かける。
そこまでぼろぼろにしても使えるのか、、、と。感じる。
実際に、結構無骨な製品で、私ももう数年間に渡り、毎週ガンガンガンガン使っている。
バンドこそ剥がれたりするのだが、基本的な性能の部分に関しては全くヘタったりしない。
そして、特筆すべきはPOD ポリマーヒンジシステムという人工の腱がヒンジ部に埋め込まれている。
普通ニーブレースは曲げた状態にするとそのまま曲がったままなのだが、このPODはその人工の腱で伸びる状態にビヨンと戻る!
曲げる→モドル!曲げる→ノビル! 膝の動きに追従する!
これが屈伸動作が非常に多いオフロードバイクにすばらしく向いていると思う。
試着した自分にとっては非常によくて、他の製品と比較して迷いに迷いまくった最後にPODを選んだ決定的理由となった。
この動作機構は特許で押さえているのでPODしかこのシステムを搭載できない。
そういった経緯から、やっぱりなんだかんだいって僕はPOD K4をオススメしたい所です。
楽天価格 7万5千円位
※私が購入した後に値上がりがあった。POD MX K300 の後継モデルがK4だ。
ASTERISK CYTO CELL
ASTERISKは整形医療機器を開発していた数名のモトクロスライダーらによって設立されたブランドだ。
ULTRA CELLというハイエンドモデルの廉価版になる
3次元可動マルチピボットヒンジ(縦方向だけでなく横にも多少動き、膝本来の動きを妨げない)を採用している。
付けたフィット感覚はPOD K300より良かったのだが、紐がきれやすい。との噂を入手した。
私は実用道具が好きなのでPODのK300を選択した。
楽天価格6万8千円位
LEATT C-FRAME
ニーブレースを付けたことがあれば分かるのだが、内側に分厚い支柱があると結構邪魔だ。(すぐなれるけどね。)
実際に私も、「内側のフレームがなくて安心感あるんか?」と気になって試着したことがある。
が、内側は太ももの構造でかなり支えてくれていて、しっかりとした安心感があった。
モノ自体も非常に良くて、値段もお手頃。
もし次にニーブレースを検討するなら、私ならこのC-FrameとPOD K4でかなり悩むと思う。
値段6万5千円くらい
LEATT X-Frame
EVS
これも試着したのだが、結構構造が大げさで邪魔になりそうだった。
試着してすぐにこれは違うと思って止めた。
パッドの仕組みが特徴的でどのような角度で転倒しても膝を打ち付けない構造になっている。
楽天価格 6万8千円位
Alpainestars Fluid
試着の重要性
オフロードバイクの装備全てに当てはまることだが、ことニーブレースは特に試着の重要性を強調させて頂きたい。
オフロードバイク用品は欧米人の体格に合わせて作られていることが多い。
ニーブレースに関しては欧米人(≒コーカソイド)の膝周辺の「骨格」を想定して作られていると思われるのだが、ここに落とし穴がある。
大雑把にいってしまうとわれわれはモンゴロイドであるが、どうやら膝まわりの骨格はコーカソイドより太いようなのだ。
想像しながら比較してみてほしいのだが、コーカソイド欧米人の脚はのっぺりと細長いが、われわれモンゴロイドアジア人、特に日本人の脚は太くむっちりしている。
つまり身体が小さいからといってMサイズを選ぶと「実は小さい!」ということが起こるのだ。
例えば、私のもっているPOD K300はS・ M・ L・XLの4サイズ展開で漠然とMかなぁとおもっていたのだが試着してみると断然Lの方がしっくりきた。
ハードな膝の動きに追従する骨格・靭帯に相当する防具なので、是非納得いくまで試着をオススメしたい。
が、実際の所、なかなかニーブレースをフルでラインナップしているようなバイク用品店がないのも事実であろう。
その場合、なんとなくではなく、しっかりと膝周りのサイズを計ってそちらに合わせて購入することをオススメする。
また、周りにライダーがいたら試着させてもらうのも一つの手だろう。
以上。
みなさんのオフロードバイクライフが安全で楽しいものになりますように!
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