日本には伝説的なカバンメーカーの伝説的なラインが存在する。
それは、吉田カバン:PORTERの「TANKER」というシリーズだ。
Porter のタンカーについて
吉田かばんHPより(https://www.yoshidakaban.com/index.html)
アメリカ空軍のフライトジャケット「MA-1」をモチーフにした大人気シリーズ。1983年の発表から四半世紀以上たつが、今なお愛され続ける永遠のスタンダードモデル。
シリーズ最大の特徴でもある、「MA-1」をイメージして開発したオリジナル生地は
ナイロンツイル(表面)+ポリエステル綿(中間層)+ナイロンタフタ(裏面)という3層構造で、この生地はとても軽く、ボンディング素材の柔らかな感触と裏面の鮮やかなオレンジカラーが魅力です。表面的なデザインだけではなく、細部にまでこだわって「MA-1」のディテールを取り入れているのもポイントです。
生地の表面はブラック、セージグリーン、シルバーグレーですが、全て裏面は鮮やかなオレンジ色(レスキューオレンジと表現する方もいます)です。
また、金具(ファスナーやホック、ナスカン)は使うにつれて経年変化が表れるように、あえて色が剥げるような塗装にしています。1983年のシリーズ発表時は、「MA-1」をモチーフにした、ミリタリーテイストのトラベルシリーズ」というコンセプトだったため、ダッフルバッグやショルダーバッグが中心の展開でした。また、色もセージグリーンのみでした。その半年後にブラックカラーを追加しています。そして2014年にシルバーグレーを発表しました。
ポータータンカー伝説的エピソード
ポーターのタンカーがどれほど伝説的か。
ということについてバックパッカーである私のあるエピソードを紹介したい。
ヨーロッパの某国を放浪していると、よく街の客引きから「Hey、日本人」と声をかけられる。
これは珍しいことではない。日本人というのは外見や服装からも区別が付きやすいのだ。
しかし、無邪気に「僕は日本人じゃないよ、なんで日本人に思ったの?」かえしてみた。
すると、「HaHa!そのPORTERのカバンを持っているのは100%日本人だ!」と私の肩から斜め掛けしたタンカーのウエストポーチを指さして言ってきたのだ。
これはヨーロッパの特定の国だけでなくアジアの各国、日本人が訪れる主要な観光地でも同様の経験をした。
ポーターのタンカーは「Made in Japan 」パワーを体現する、世界的な知名度をもつブランドなのだ。
私とタンカーとの出会いと、月日の流れ
さて、私のタンカーとの出会いは中学生時代に振り返る。
タンカーの財布をプレゼントでもらったのが初めての出会いだった。
そこから、すでに15年以上このシリーズとは付き合いがある。
特に思い入れが強く、10年の長きにわたり、今でも戦力として私を支え続けてくれているのが、
大学の入学に際し親が買って与えてくれたこの3Way ブリーフケースである。
大学生の原付きバイクの通勤から、実家への帰省、海外旅行、会社員となってからの満員電車の通勤、ジムへの移動
ライフスタイルの変化に応じてあらゆるシーンでともに同じ時間を共有した。
大学生の当時はまだガラケー全盛期であり、Mixiを小さいガラケーのディスプレイでみていた。そしてiphoneが発売になった衝撃を覚えている。
ときは流れ、持ち歩くデバイスはもちろん、社会の様子、雰囲気はもちろん働き方も大きく変化した。
特に昨今は、スマートフォンを操作する必然性からか、
ビジネスマンは手提げかばんをやめリュックにするという流れがある。
これは社会人になって5年以上たつ私も感じていることで、ここ数年でリュックを使う人が目に見えて増加じた。
また、完全なカジュアルなリュックタイプではなく、手にもつこと旧来型のビジネスバッグとして見た目が成立する3Wayタイプの利用が多い。
○参考 なぜ”スーツにリュック”の人が増えたのか (プレジデントオンライン) https://president.jp/articles/-/24206
ここで
2020年を目前とする今において、
発売から四半世紀以上を経る、この伝説的なBag「Tanker 3Way」をあらためて再定義してみたいと思う。
2020年に向けたタンカー3way ブリーフケースのレビューと再定義
では実際にみてみたいと思う。
私が使用しているものは
PORTER / TANKER 3WAY BRIEFCASE (622-09308)定価 ¥26,500 +税
チャックを開けるとフルオープンになる1室の最もシンプルな物だ。
全体像
前面
サイズ W400/H290/D100
重さ 795g
裏に一文字のチャックがありその中にリュックの肩ベルトが収納されている。
チャックを開くとフルオープンになり、荷物へのアクセスが非常に良い。
この鮮やかなオレンジ色のインナーライナーがタンカーシリーズの象徴だ。
ディティール
鞄というタグがチャックを開いてすぐ目に入る。
こういったタグは毎回目にするため、まるでサブリミナル効果のようにモノのイメージと紐づくので非常に重要に思う。
ポータータグ。
お約束であるがすぐに紐がほつれる。
ナイロンツイル(表面)+ポリエステル綿(中間層)+ナイロンタフタ(裏面)という3層構造の生地は、本当に見た目の質感、物質的な佇まいが美しいと思う。
非常に強い耐久性があると、一般的に言われているが、私はそこまで強靭な生地ではないと考えているとあえて書きたい。
すぐにボロボロになるようなものではないが、1年も使用していると形が崩れはじめある程度のヘタリやテカリが見受けれれるようになる。
多少使って馴染んだ1〜3、4年目がこの鞄がもっとも美しくかっこよく見える「旬」だ。
マジックテープがでろでろにヘタリ、生地もクタクタのボロボロになって長期に渡って酷使されているタンカーは、みすぼらしい印象さえ受ける。
しかし生地やパーツの特性への理解や、鞄を扱うオーナーとしての心遣いやモノへの畏敬があれば、
10年を越えようが2、3年の最も美しい旬の状態を維持できる。
…そう、まるで時が止まったように。
これが鞄というパーソナルなものを入れる容器として非常に面白く、どこか有機的な成長や熟成を感じる。
ここが、一針入魂を掲げる吉田カバンがつくるタンカーの一番の魅力ではなかろうか。
チャックはYKK製が使われてる。
使用するに従って多少動きが悪くなるようだ。私の個体はいつも動かさない方のチャックのみ気持ち動きが固い。
3Way
重くなりがちな3WAY のバッグであるが、約800gと全体的に軽量にまとめられている。
2020年にむけた再定義
鍵となるのがこのクリアポケット。
A4サイズに合わせて作られているので当たり前であるが、
ここにMacbook Air 11インチが完全にピッタリ収納できる。
どうだろう、このピッタリ具合!
また同様に、ほぼ同じサイズのMacBook Pro13 インチ(ケース付き)も完全にすっぽりはいってしまう。
仕事で使っているWindowsもバッチリ入るので一般的な、12インチ前後の端末だとかなり小奇麗に収納ができるだろう。
なんといっても背負ったときの感覚が抜群に良いのである。今までのリュックで一番よい。
おそらくここは、1980年代の発売時には書類いれとして企画されたと推測できるが、
2018年の現在においてメインのワークステーションであるノートPCをいれて持ち運び、非常に利便性高く活用することが可能だ。
また、私は前のチャック部分にはipadや、モバイルバッテリー、USBハブ、ケーブル、外付けHDDを入れることが多い。
硬めのビニール製のポケットなので生地に独特の粘りというか強度があり、動きにくくなぜか安心できるので、
昨今の電子小物装備類と非常に相性がいい。
なおipad miniであればフロントポケットにも収納可能。
電車の中や飛行機の中で便利。
フロントポケットは大きく2つに分かれているので、
片方はACアダプター類と、もう片方はメモやペンなどの筆記用具類など重さや好みに応じて分類して利用することができる。
ここもまたタンカーの素材自体にクッション製があるので電子機器も安心して入れることが可能。
旅での利用
もちろん、旅でも利用することができる。
こちらの記事でも書き記したように、2泊3日から1週間程度の旅行であればアイテムさえ選びさえすれば、このタンカー3wayブリーフケースだけで十分に乗り切ることだができるだろう。
>>海外旅行1週間の荷物持ち物準備について【実事例:東南アジア5カ国7都市周遊】
以上タンカーについて、私とこのシリーズについて振り返りつつレビューを行ってみた。
タンカーシリーズはカバンの原点であり、これからも時代に応じて多くの人々に愛され続けていくだろう。
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