オールドレンズレビューJupiter8 50mmF2.0 コンパクト・軽量な入手しやすいロシアンオールドレンズ

M-mount-lens

今日は、今日は前回に引き続きオールドレンズのレビューを行いたい。

 

今回紹介のJupiter8は50mm f2.0のスペックを持つロシアンレンズであり、>>Helios44-2と並んでオールドレンズ初心者が1本目に入手しやすいモデルだ。

 

>>参考 ぐるぐるボケを楽しむ安価なネタレンズ ヘリオスHelios-44-2 58mm F2 オールドレンズレビュー 

 

1 歴史・外観

 

第二次世界大戦後にソ連側に接収された東ドイツで製造されていたZeissの銘玉Sonnarが元にコピーして製造したといわれている。>>参考記事 Юпитер-8/Jupiter-8 (ソ連/ロシア レンズ紹介)

 

製造年によって黒の鏡胴のもの、銀の鏡胴のものが存在する。

私の所有する個体では黒が1973年製、銀が62年製だ。

 

フォーカスリングを左まわりに強くひねれば簡単に分解できてしまう

 

黒の個体とはフォーカスリング周りの構造が異なっている。

銀の個体はコストのかかった作りで、時代を経るごとに簡素化されているのが見てとれ時代を感じることができる。

 

 

3 Jupiter8の作例

多少絞り目で撮影

開放よりのボケはすこしザワザワする

また少し絞り気味に。

光はにじみやすい。

 

2 レンズレビュー

 

描写 

非常に古い設計のオールドレンズなので仕方はないが、解像感、解像性能は低いと感じる。開放でもピント面は必要十分なシャープさがあるが、全体的に甘めと言わざるを得ない。ポジティブに捉えるならば「柔らかい」「にじみ」と表現ができる。

一方でレンジファインダーレンズたる所以なのか少し絞るとピント面のシャープさと前後へのボケ感のつながりがセクシーな非常にすっきりとした描写になる。ハッとする瞬間に出会うことがある。

私は生粋の単焦点開放主義者だがこのレンズに限ってはすこし絞ったほうが扱いやすく、画作りが決まるレンズだと思う。

 

ボケ

開放で撮影すると十分なぼけを得られるが、質感がザワザワしているので、とろけるように背景をぼかして被写体を浮き上がらせるように使いたい用途であれば多少注意が必要。ソニー純正の50mm/f1.8の撒き餌レンズ>>SEL50F18Fと質感が近いように感じる。おなじJupiterの9のとろけるようなボケ感とは大きく異なっている。

 

50mm 

Jupiter9などであれば85mm という画角の世界観とオールドレンズ特有の描写が相まってそれはそれは特徴のある世界をつくりあげる。しかしJupiter8は50mmの画角本来がもつ平坦さと相まって、うまく使うのがなかなか難しいがゆえに、楽しいレンズと思う。ただし最短撮影距離は100cmとかなり遠い。

 

コンパクト・軽量

さすがはレンジファインダーのレンズ。一眼レフのどんなレンズよりもコンパクト・軽量。α7のような新世代のミラーレスの街歩きとは最高の組み合わせだ。

 

安価で流通量がおおい

非常に入手しやすい、私は1万円ほどで2つのJupiter8を手に入れた。

 

個体差、製造工場、製造年の違いを楽しめる

私は1973年製、1962年製を所有しているが、描写に差が存在する。古いモデルのほうが質が高い傾向があるようだがいろいろと手に入れて違いを味わう。というオールドにふさわしい楽しみ方が可能だろう。

3マウントとアダプターの知識

 

オールドレンズを初めて購入するときに、最も困るのがマウントとアダプターの知識だ。

 

オールドレンズはM42というマウントが多いのだが、このJupiter8はL39というレンジファインダー用のライカマウントの個体が多い。したがってL39から自分の使っているカメラへのマウントアダプター(ソニーだとNEX)を購入する必要がある

 

マウントアダプターは非常に安価な中華製が出回っている。

精度について文句を述べる方もいるが、まずは>>アマゾンにある数百円〜千円程度の中華製の一番安いもので問題ない。

 

私は>>L39→M42のレンズマウントアダプター>>M42→NEXのマクロフォーカスヘリコイドアダプターを使い、ヘリコイドを繰り出せば100cmの最短撮影距離よりも近くで撮影ができるようなシステムとしている。

 

4Jupiter8の購入方法

 

オールドレンズはレンズごとによって最適な購入方法や流通経路が異なっているのが面白い点でもある。

 

Jupiter8は国内では5,000円〜1万数千円程度で安価に入手可能。流通数が多いためおそらくオールドレンズのなかでは一番といっても過言ではないほど入手しやすいレンズだ。ただし、状態や製造年度によって価格の振れ幅が大きいので注意が必要。昨今では値上がり傾向にあることは否めないが、オールドレンズの世界観への架け橋としてその役目をこれからも果たし続けることだろう。

 

①Jupiter8に関しては、メルカリなどのフリマで出品している方がいるのでそちらからの入手が最も楽、かつ個別の状態や製造年の把握がしやすいのでよい。(ほかのオールドレンズにくらべてかなり良心的な価格設定がされている感覚だ。)

 

②最も安価に入手できる方法はEbayで海外から輸入すること

 

③Amazonでは比較的高めの価格設定だが、少し安心のオーバーホール済みの製品が入手可能。、楽天では出品がほとんどない。

 

以上、よいオールドレンズライフを。

 

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